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【1】秘宝洞窟の激闘

79D秘宝洞窟のBOSS「アマス」とナックル使用女戦士とのタイマンを描きました。
文中で使用している技はナックル59スキル「フレイムバスター」。
最後に手に入れているものはアマスのドロップする鋳具「アマスのリング」です。


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 吹きすさぶ烈風。
 硬音轟かす大振りの刃が鼻先を掠め、少女は思わず後ずさる。相対する暴力は余りにも強大。鋼鉄のごとき筋肉を纏う肉体は天をつくように巨大で、対する自身の身体は細く脆い。儚げとすら表されるその体躯は、いまや強靭な獣の牙を前に逃げ惑う兎の態だ。
 迫りくる破壊の連鎖から身を転がして離脱し、棒切れのような白い両腕を前方に突き出す。片膝をついてその高さを固定し、粉塵舞う暗闇に伸びた両の手首を付け合せるように、掌をしっかりと開いた。
「っ・・・」
耳元でも聞き取れぬほどの、ましてや風切る爆音の中では到底捉えようもない小さな声で、少女は呟く。薄桃色の可憐な唇が震えるように微かに開き、強く閉じられた瞼は、一呼吸置いてゆっくりと持ち上がる。漆黒の闇の中、たゆとう様に揺らぐダークブラウンの瞳が、刹那はっきりとそれを捉えた。
「終わりにするよ、海賊王アマス・・・」
粉塵は風を受け、ゆっくりと霧散する。圧倒的な威圧感を持って、大太刀を背負う巨躯が距離を縮めてきた。丸太のような大腿筋が隆起し、一瞬の間の後、その暴力は宙を舞う。
−ぐおぉおおおおおお
獣の咆哮が大気を震わせる。痺れる鼓膜。間髪を入れずに、その鼓膜目掛けて大太刀が右上方から振り下ろされた。少女の身体は巨刃の一撃をまともに受け、全身の骨の砕ける耳障りな音とともに、再び舞い上がる粉塵に埋没する、はずだった。
 微かな驚きとともに、獣の両目が見開かれる。その視界の中、少女はゆっくりと背後に倒れこんでいく。大太刀がその身体に打ち下ろされる瞬間、正に紙一重のタイミングで、少女は一撃をかわしていた。手首を付け合せた姿勢をそのままに、全身の力を抜き、剛なる風圧を利用するかのように、素早く後方に倒れこんだのだ。
「惜しかったよ。きみ・・・」
暗闇に向かって、いや、巨躯を誇る獣の顔に向かって、手首を合わせ突き出された細腕の先から、巨龍が息吹のごとき熱波が迸る。
―がぁああぁあああ
蜘蛛の子を散らすように獄炎の閃光に後退する暗闇とともに、再び空気を揺らす絶叫。発せられた殲滅の火炎は一筋の閃光となり、寸分の狂いもなく獣の眉間を貫いていた。
 岩盤の爆ぜる轟音。どこか心地よい地響き。少女は風に舞う精のように軽やかに身を起こし、僅かにその口角を吊り上げる。両の手で全身の土ぼこりを適当に払い落とすと、なぎ倒された巨木のようなそれに歩み寄った。僅かに痙攣を続ける巨体からは、ゆっくりとその魂が梳かれようとしている。蠱惑的な笑みを浮かべた口元をそのままに、少女はそっとその巨躯の中心、鍛えぬかれ大きく隆起した胸に手を伸ばした。
「もらっていくね、その力・・・」
再び指先から発せられた閃光が、しかし今度は穏やかに敗者の全身を包み込む。淡光は徐々に痙攣する巨躯を離れ、少女の眼前、虚空へと緩やかに収束する。ゆらりと中空へ伸ばされた細指が、やがて小さな輝きを掴み取った。
「これが、きみの力の源・・・。」
 夜の帳が下りる。戦場となった廃墟から立ち去る少女の影。その指先では、強大な魔力に瞬く無骨な指輪が、暗い輝きをたたえていた。

-了-
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Comment:
2010/03/13 5:24 AM, 紗音 wrote:
かっこええ・・・
たしかに師匠の妖精のイメージやなあ
クールで スレンダーだけど強いカンジの。

文学だあああ

こんな才能があったとは
おみそれです・・・
・・あっ この言葉の使い方あたし間違ってない?
こないだから 師匠としゃべるとき緊張するです・・・ゞ( ̄∇ ̄;)
2010/03/13 5:16 PM, 紗音 wrote:
あっコメ間違えてる
妖精じゃない 戦士ねー
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